40代女性の平均年収は、314万円。

この数字を見て「思ったより低い」と感じたなら、けっこう正直な感覚だと思う。育児や職場での積み重ねを経てきた世代なのに、これが「平均」なのか——と、ちょっと立ち止まった人も多いんじゃないか。

40代女性の年収分布、リアルなところ

国税庁の民間給与実態統計調査によると、40代女性の平均年収は314万円。

ただ、この数字には注意が必要で、正社員・契約社員・パートタイム、全員ひっくるめた平均だ。扶養内のパートや、育休明けで時短勤務中の人も含まれる。だから「フルタイム正社員の40代女性」だけで見ると、実態はもう少し違って見えてくる。

分布をざっくり確認するとこうなる。

年収帯40代女性の割合(概算)
600万円以上約4%
500〜599万円約6%
400〜499万円約13%
300〜399万円約21%
200〜299万円約25%
100〜199万円約22%
100万円未満約9%

200万円台に一番人が集まってる。パートや扶養内就労が多い層がここを押し上げてる構造だ。一方、400万円を超えると割合がグッと下がる。フルタイム・正社員・管理職ルートに乗っていないと、なかなか超えにくいラインになってる。

ちなみに平均が314万円でも、中央値はおそらく280万円前後まで下がる。「多数派の実態」はこっちに近い。つまり、314万円という数字は「典型的な40代女性の年収」ではなく、分布全体を引き上げた結果の数字だ。自分の年収が280万円前後だったとしても、それは統計的に見れば完全に多数派の範囲に入る。

雇用形態別で見ると、差が鮮明になる

40代女性全体の314万円という平均を、雇用形態別に分解すると構造がより見えてくる。

正規雇用に限定した場合、40代女性の平均年収は430〜450万円前後まで上がる。非正規雇用(パート・アルバイト・契約社員)に限定すると150〜180万円前後まで下がる。この差が全体平均を314万円という中間地点に落ち着かせている。

厚生労働省の調査によると、40代女性の非正規雇用率は約40%。つまり、10人中4人が非正規という状態が現実だ。この比率は20代・30代と比べてもほとんど変わらない——育児期を経て正規に戻れたかどうかで、そのまま固定されているケースが多い。

業種別で見るとさらに差が出る。金融・保険業では500万円を超える層も珍しくないが、飲食・宿泊・サービス業では250万円前後が相場になる。同じ「40代女性・フルタイム」でも、業種が違えば200万円以上の差が生まれる。

40代女性の年収がこうなる、背景

30代後半から40代にかけては、女性のキャリアにとってかなり分かれ目になる。

子育てが落ち着いてフルタイムに戻ったパターン、そのまま扶養内・時短を続けているパターン、はじめから出産なしでガチでキャリアを積んできたパターン——この三種類が全員「40代女性」の同じ枠に入ってくる。非正規・パートが混ざるから、平均がどうしても引っ張られる。

要するに「314万円を下回っていても全然普通」だし、逆に「314万円を超えていたら実はかなり上の位置にいる」という認識は持っておいたほうがいい。

男性の40代平均が550万円前後なのと比べると、この差は正直しんどい数字だ。育休や時短で積み上がったキャリアのロス、昇進・昇給スピードの差——それが何年分も蓄積してこの数字になってる、という側面がある。制度を使っただけなのに、こんなに差がつくのか、と思うと複雑な気持ちにはなる。

同世代・他国との比較で「日本の40代女性」を客観視する

OECD加盟国の中で、日本の男女賃金格差は依然として大きい部類に入る。40代時点での差は特に顕著で、同年代の韓国・ドイツ・フランスの女性と比べても、日本の40代女性の賃金水準は相対的に低い。

同世代の40代男性(平均550万円前後)との差は240万円。月収換算にすると約20万円の差になる。これが20年間蓄積すると、生涯賃金ベースでは数千万円の差になる計算だ。「少し差がある」ではなく、かなり構造的に固定されたギャップだ。

一方で、年代別の女性の平均年収推移で見ると、40代は20代・30代と比べて年収がほぼ横ばいか微増にとどまる。男性の場合、20代〜40代で年収が大きく右肩上がりになるのと対照的だ。この「伸びない」構造が、40代で大きな差になって現れる。

40代はキャリアの分岐点、でもまだ動ける

40代に入ると、周囲が管理職になるかどうかの選択をする時期が来る。

管理職に就けば400〜500万円台が見えてくる。断ったり、そもそも選択肢がなかったりした場合は、専門スキルで差別化するか、転職で横移動するかが現実的な次の手になる。正社員のままフルタイムを維持しているかどうかだけで、年収の幅がざっくり100〜200万円変わってくる。

実際に転職市場で見ると、40代女性の転職による年収アップ事例は珍しくない。特に、専門職・技術職・医療系・士業系は40代でも市場価値が高く、転職で50〜100万円の年収改善に成功するケースがある。「40代は転職できない」というのは、少なくともスキル系の職種では当てはまらないことが多い。

非正規から正規へのステップアップも、40代で実現している人は実際にいる。企業側も即戦力を求めているため、職歴と経験がある40代女性は採用対象として評価されやすい。「正社員に戻れるのは30代まで」という思い込みは、実態と合っていない。

40代女性の年収格差は、「頑張ったかどうか」よりも「どういう選択をしたか、させられたか」で決まってることのほうが多い。そこは冷静に見ておきたいし、「今からでも動けるかどうか」で答えは変わってくる。

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「平均以下だった」でも「平均超えてた」でも、40代でやるべきことはそこまで変わらない。

今の年収に何か引っかかりがあるなら、一度だけ「転職市場での自分の値段」を確認する価値はある。転職活動をするかどうかは後から決めればいい。スカウト機能に登録してみると、今の自分に企業がどのくらい興味を持つかがリアルに分かる。「え、意外と来るじゃん」か「あ、思ったより来ないな」か、どっちかの答えが返ってくる。それだけで、現在地がかなりはっきりする。

dodaは40代の転職支援実績が多く、今の業界・職種での相場感も見えやすい。転職を前提にしなくても、現在地を確認するための手段として使うのは全然アリだ。まず数字を見てから、次をどうするか考える順番がいい。

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