誰かに話したことはなくても、「なんか最近しんどい」ってひとり思ったことがある人、けっこういるんじゃないかと思う。そういう感覚って、自分だけのものだと思いがちだけど、実際はそうでもなかったりする。
数字で見ると、そのあたりの実態が少しリアルになる。
日本人のうつ・不安症状経験率は?
厚生労働省の令和2年患者調査とWHOのデータを合わせると、気分障害(うつ病・双極性障害など)と不安障害の患者数は合計で約300万人を超えている。ただ、これは「医療機関を受診した人」の数でしかない。
実態としては、もっと多い。
WHOのデータでは、生涯で何らかのうつ・不安症状を経験する割合は先進国で20〜30%前後とされている。日本は受診率が低い国のひとつで、「しんどいけど病院には行っていない」という層がかなりいる。
| 状態 | 推計割合(成人) |
|---|---|
| 気分障害(うつ等)患者 | 約1.2%(受診者ベース) |
| 不安障害患者 | 約0.7%(受診者ベース) |
| 症状あり・未受診の推計 | 成人の15〜25%程度 |
| 生涯経験率(WHO推計) | 約20〜30% |
この数字、最初見たとき正直「そんなに?」ってなった。4〜5人に1人が生涯でなんらかの症状を経験するってことになる。
「気合いが足りない人が行く場所」みたいなイメージがまだ根強いけど、データ的には全然そういう話じゃない。日常のなかに普通に存在する、人間的な経験のひとつ、というのが実態だったりする。グラフで見ると「未受診層」の山がびっくりするくらい大きくて、受診者はその一部に過ぎないとわかる。
受診率が低い背景には「自分は大丈夫」という過小評価のほかに、相談先がわからない・仕事を休めない・周囲にバレたくない、という構造的な問題がある。症状があっても表に出てこない、というのがこのテーマの難しいところだと思う。
あ、話がちょっとずれたけど、要は「自分だけが感じている」と思っているしんどさは、ほぼ確実に一定数の人が同じように感じているということ。それがこのデータの一番大事な読み方だと思う。
うつ・不安症状、どんな人に多い?
性別・年代でけっこう差が出る。
| セグメント | 傾向 |
|---|---|
| 20〜30代女性 | 気分障害の有病率が高め |
| 40〜50代男性 | 未受診・孤立が多い層 |
| 高齢者 | 認知症との識別が難しく潜在数が多い |
| 学生・若年層 | コロナ以降に増加傾向 |
40〜50代男性の「我慢してる層」が特に気になる数字だったりする。症状があっても「仕事あるし」「弱いと思われたくない」で流してきた結果、気づいたときには深刻になっている、というパターンが多い。受診者データに出てこない分、実態が読みにくい。
診断では10段階に分けてるんだけど、SR以上に入るのは「しんどさに向き合えた人」というイメージで設計している。意外なのは、「自分は大丈夫」と思っていた層がCかDに落ちるパターンが多いこと。自分のSOSに気づけているかどうか、という軸で見ると、けっこう結果が変わる。
自分の現在地を確認してみるといい。
🎯 日本人成人のうつ・不安症状経験ランク診断
うつ・不安症状経験を入力してください
このランク名、なんか人に言いたくなるやつじゃないかと思う。
診断後の次の一手
Dランクやそれ以下だったとして、それは「あなたがダメ」ではなく「気づかずにずっと無理してきた」という話でしかない。
まず知ることが最初の一手になる。
厚労省が運営する「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」は無料でかけられる。匿名で話せる。登録も手続きもない。しんどい日に電話できる番号を、スマホに入れておくだけでも変わる気がする。
Nランクや中間帯だった人は、「今は大丈夫だけど放っておくとどうなる?」という感覚が正直なラインだと思う。睡眠・運動・人との接触、この3つのうちどれかが極端に欠けていると、そのうちCやDになる。今のうちに1つだけでも整えておくと、後で全然違う。
SRやR以上だった人には、あなたの経験が誰かの助けになる場面がけっこうある。自分が「しんどかった」という事実を、必要なときに話せる人間であることが、まわりにとってのセーフティネットになったりする。
よくある質問
Q. うつの「患者数」と「経験率」はどう違う?
患者数は医療機関を受診した人の数。厚労省令和2年調査では気分障害が約172万人、不安障害が約83万人。一方、経験率はWHOが推計する「症状を経験したことがある人」の割合で、未受診者も含む。日本の場合、受診率が低いため、実際の経験者数は患者数の数倍以上と見られている。「自分は病院に行っていないから当てはまらない」はたぶん違う、というのが実態に近い読み方だと思う。
Q. 「なんとなくしんどい」は受診するほどのことじゃない?
これ、判断が難しいところだけど、「2週間以上続くかどうか」がひとつの目安になる。気分の落ち込みや眠れない・食えない状態が2週間続いているなら、受診の基準を超えているとされている。「大したことない」と思いたい気持ちはわかるけど、2週間続いてるなら一回だけ話してみる価値はある。診断がつかなくても、話すだけでかなり楽になる人は多い。
Q. ランクを上げる(メンタルを整える)には何から始めればいい?
睡眠を7時間確保することだけを最初の目標にするのが、正直一番コスパがいいと思う。食事・運動・対人関係より先に、睡眠だけ整えると体感が変わる人が多い。スマホを寝る前に置く時間を決めるだけで30〜40分は変わる。それ以上を狙うなら、記録から入るといい。メンタルヘルスアプリや日記で「どの時間帯がしんどいか」を1週間記録するだけで、パターンが見えてくる。そこから対策が立てやすくなる。
