20代女性の平均貯蓄額、155万円らしい。なんかそこそこいける数字じゃん、と思ったら、中央値が53万円で現実を見せてくる。一部の高貯蓄層が平均を引き上げているだけで、実態は想像よりシビアだという現実がある。
20代女性の平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査」(2023年調査)によると、20代女性(単身世帯)の金融資産平均は155万円。ただ、この数字だけだと実態が見えてこない。
| 貯蓄額 | 20代女性(単身)の割合 |
|---|---|
| 金融資産なし | 約35% |
| 〜50万円 | 約18% |
| 50〜100万円 | 約12% |
| 100〜200万円 | 約12% |
| 200〜300万円 | 約8% |
| 300〜500万円 | 約8% |
| 500万円以上 | 約7% |
3人に1人以上が「貯蓄ほぼゼロ」に近い状態にある。上位の300〜500万円台の層が平均を押し上げているだけで、多い人と少ない人の二極化がそのまま数字に出ているというのが実態だったりする。平均155万円という言葉だけ聞いて安心するのは、ちょっと危うい。
平均と中央値、どっちが「リアルな普通」か
平均155万円と中央値53万円の差が100万円以上ある。この乖離を生み出しているのは、500万円以上を持つ上位層の存在だ。一部の人間がものすごく大きい数字を持っていると、平均値はそちら側に引っ張られる。中央値は「ちょうど真ん中の人の金額」なので、貯蓄の実態を知りたいなら中央値の53万円の方がはるかに参考になる。
なぜこんなに乖離が起きるか。20代は収入が低い時期で、社会人1〜2年目だと手取り15〜18万円くらいがわりとある。そこから家賃・食費・光熱費を引いたら、毎月の貯蓄に回せる金額なんてたかが知れてる。
あ、話がずれたけど、ここで一番しんどい数字は「35%が貯蓄なし」という事実だと思う。急な出費が来たときに手元に何もない状態の人が、3人に1人以上いる。この数字を知ったとき、正直ちょっと怖かった。
20代前半と後半でも状況はかなり違う。24歳以下は貯蓄ゼロに近い層が半数近くいる一方、28〜29歳になると100万円以上を積み上げてきた人がちゃんと出てくる。入社後の数年間、貯め続けられるかどうかが実は一番の分岐点になりやすい。
月収のどのくらいを貯蓄に回せているか
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、20代女性の平均月収(所定内)は約20〜22万円台。手取りに直すとおよそ16〜18万円になる。
ここから東京で一人暮らしをすると、家賃7〜8万円、食費3万円、光熱費・通信費で合計2万円、その他諸費で2万円と見ると、残るのは2〜4万円くらいが現実的な上限になる。毎月3万円貯められたとして、1年で36万円。3年で100万円ちょっとというペースだ。
「なぜ貯まらないのか」ではなく、「これだけ貯められていれば十分なペースだ」という視点で見ると、中央値53万円という数字は社会人2〜3年目の自然な着地点として理解できる。貯蓄ゼロの35%も、地方から上京したての1〜2年目が一定数含まれていると考えると、「怠惰の結果」というよりは「構造的にそうなりやすい」という側面が大きい。
貯蓄格差が広がる理由:家賃と実家の差
同じ20代女性でも、実家暮らしかどうかで状況はまったく変わる。実家に住んでいて家賃を払っていない場合、毎月5〜8万円分の支出がそのまま貯蓄に回る計算になる。3年続けば200万円以上の差が生まれる。
500万円以上の上位層に実家暮らしの層が多く含まれている可能性は高い。一人暮らしで同じ年収なら、どう考えてもそのペースで追いつくのは難しい。「東京で一人暮らしして200万円貯めた」という人と、「実家にいて500万円貯めた」という人では、同じ「貯蓄できている人」に見えても、前者の方がよほど難易度が高い話だったりする。
また、親のサポートがある・ない、奨学金の返済がある・ないというファクターも大きく効いてくる。奨学金を月2〜3万円返済しながら一人暮らしをしている20代女性が50万円以上貯めていたなら、それは実質的に相当な管理ができているということになる。
職業・業界による差も大きい
20代女性の貯蓄は、職業によって分布がかなり変わる。看護師や薬剤師など医療系は夜勤手当や各種手当が乗るため、手取りが一般的な事務系より高くなりやすい。IT系のエンジニア職も、近年は初任給が上がっており、20代後半で年収400〜500万円台に届くケースが増えてきた。
一方、飲食・小売・介護などのサービス業は賃金水準が低めで、フルタイムでも手取り15万円台になることがある。同じ「20代女性」でも、業界と職種で貯蓄力に2〜3倍の差がつくことは珍しくない。
平均・中央値の数字はあくまで全体の話なので、「自分の業界・職種の20代と比べてどうか」という視点も同時に持っておくと、より精度の高い自己評価ができる。
診断の前に:上位何%に入れるかをチラ見せしておく
この記事の診断では10段階のランクで自分の位置がわかる。
SR(コツコツ積立の勝ち組)以上に入れるのは、全体の上位15〜20%くらいの話。「自分はそこそこ貯めてる方」という感覚で試した人が、NかCに落ちるパターンがわりと多い。逆に「全然貯められてない」と思ってた人がNより上だったということもある。試してみると、自分の感覚と実際の位置がずれていることに気づける。
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Dランク以下だったとして、それは「今の生活の延長線上の話」でしかない。
貯蓄が増えない原因が「収入が低い」なのか「支出を把握できていない」なのかで、やるべきことはまったく変わる。まず確かめる価値があるのは、毎月何にいくら使っているかを把握すること。支出の全体像を知るだけで、無駄に気づいて月1〜2万円が浮いたという人はけっこういる。
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SR以上だったなら、次は「増やす側」に回ることを考えてみるといい。積立NISAの設定を見直すか、まだ始めていないなら今が試すタイミングだったりする。20代のうちに積立を始めた人と、30代から始めた人では、複利の効果で10年後に数十万円単位の差が出てくる。早く始めるほど有利という事実は変わらない。
Cランク前後で「もう少し上を目指したい」という場合、まず着手しやすいのは固定費の見直しだ。スマホを格安SIMに切り替えると月3,000〜5,000円、年間で4〜6万円の節約になる。保険の見直し、サブスクの整理も合わせると、月5,000〜10,000円は改善できるケースが多い。これを貯蓄に回せば、1年で6〜12万円分の積み上げが変わってくる。
よくある質問
Q. 20代女性の貯蓄額、平均と中央値どっちを見ればいい?
金融広報中央委員会の2023年調査では、平均155万円・中央値53万円という数字が出ている。差が100万円以上あるのは、一部の高貯蓄層が平均を引き上げているから。「普通の20代女性はどのくらいか」を知りたいなら、中央値の53万円の方がリアルな参考値になる。体感的にも、周りで「50〜100万円くらい」という人が多い感じとも一致する。
Q. 貯蓄ゼロの20代女性は何%くらいいる?
同調査によると、20代女性(単身世帯)の約35%が金融資産をほぼ持っていない状態にある。3人に1人以上という割合で、特に社会人になりたての層に多い。実態として、20代前半で貯蓄ゼロというのはそれほど珍しい話ではなかったりする。
Q. 20代で貯蓄200万円以上あると上位何%?
分布から見ると、200万円以上で上位20〜25%前後、300万円以上で上位15%程度のイメージになる。意外と「上位」への壁は低い。ただ、同年代全体の順位より、自分の収入と支出のバランスに対してどうかで考えた方が現実的だと思う。
Q. 実家暮らしと一人暮らしで、貯蓄にどのくらい差が出る?
家賃の有無だけで月5〜8万円の差になる。年間60〜96万円、3年では200万円以上の差が生まれる計算だ。一人暮らしで100万円貯めた人と、実家で100万円貯めた人では、積み上げた難易度が全然違う。数字だけ見て自分を低く評価しすぎないことも大事だったりする。
Q. 奨学金を返済しながら貯蓄するのは難しい?
月2〜3万円の奨学金返済をしながら一人暮らしをしている場合、貯蓄に回せる金額は月1〜2万円が限界に近い。年間12〜24万円のペースなので、3〜4年で50〜100万円というのが現実的な到達点になる。この条件でNランク以上にいるなら、かなりしっかり管理できているという評価になる。
